とはずがたり

気が利かない

推しの香水を作った話

作ってからずっと気が狂ってるのでこの文章も気が狂ってたらすみません。気は狂っている。

友達から「推しの香りを作ったんだけどやばいので嗅いでほしい」と言われたのが先月。実際嗅いですごかったので「わたしも作りたい」と言って、作ることになったのが今月でした。時は師走。まさかこの時はこんなに大変なことになるとは思っていなかったのですが。

お世話になったところ

一部界隈で有名な「FINCA」さんで作らせていただきました。
http://kaoribarfinca.jp
FINCAさんでの提案いただけるのは、FINCAさんご自身で扱っている60種類以上のオリジナル香水の中から、1〜3つを選んで重ね付け(PILE UP)することでイメージの香りを表現するということです。つまり1から香りを作ったり、香水を混ぜたりということではないのです。いやないんですけど、この重ね方やチョイスする香りによって本当に香りが全然違うものになるので、これは実際作ってるのと一緒というか、もうなんか伝わらないのでみんな行ってくれ!!!って感じです。

ちなみに神戸にあるDanceさんはオーダーメイドフレグランスをやられたりなどしているというお話も聞いているので、ご興味ある方はこちらも。わたしはすぐにでもこちらにも頼みそうでやばい。推し香水は沼。

注意事項

FINCAさんでは、自分の推しの写真やイラストを見せたり、具体的な人物名やキャラ名を挙げることは禁止されています。あくまで「推し」を自分の語彙で説明することを求められます(なお一次創作ならこの限りではありません。あくまで著作権等に触れないように、という配慮)。
また、購入したものをSNSにアップしたりこうやってブログに書くことは自由ですが、あくまで「推し」や「応援している人」という表現にとどめ、具体的な名前を出してはいけないというルールがあります。これも、見た人が公式グッズだと勘違いしないようにという配慮ですね。ということでこの記事でも「推し」という表現でいきます。

流れ

予約

友人と3人(と経験者1人の同行)で伺うことにしてました。
予約サイトを見ると、3人以上の場合は2枠予約した上で備考欄にその旨記入してくださいとありました。よしそれなら2枠予約しよう!としたところ、1枠目で予約枠がいっぱいになってしまい「米(マイ)ったぜ!」と思いました。その後「すみません、2枠予約しようとして1枠しかできなかったのですが、大丈夫でしょうか…?」と直接電話して事なきを得ました。3人以上の予約の場合は最初から電話した方が良いのかな?と思います。イレギュラーな対応をさせてしまい申し訳なかったです……。また、同行者がいることも電話でお伝えし、OKというお返事をいただいたので一緒に行きました。このご時世なので、同行者の有無もあらかじめお店側にお伝えした方が親切かもしれません。

インタビューシート

インタビューシートが公式サイトの予約ページにPDFで掲載されているので、可能なら先に印刷して記入しておくとスムーズだと思います。
私は前日まで何を書くか悩みに悩みまくっていました。iPhoneのメモ帳に書いたけれども結局まとまらず、もう当日お店で出たとこ勝負で書こう……という気持ちになったので、事前に特に書いてはいきませんでした。
が、質問項目の中身と書くスペースは事前に確認しておいた方がいいと思います。裏まで書くのはNGなので、いかに小さいスペースで自分の推しを説明するかが大事です。

入店

手の消毒と検温をして、お店に入ります。店内の奥側にいくつかブースがあり、ブースにはパーテーションが設置されています。

インタビューシートの記入

事前に記入して来なかったので、入店後ガッと書きました。結局iPhoneにしたメモは見ず、自分が思うことをその場で書きました。ちなみに書いた内容がこちら。

◆香りのイメージをご記入ください
(性別/年齢/職業/性格/特徴/好きなところ/イメージカラー/モチーフなど)

  • 性別: 男
  • 年齢: 見た目は成人男性だが世に生まれてからは11ヶ月
  • 職業: 刀の付喪神
  • 性格: すごく真面目
  • 髪の色・イメージカラー: 白基調の薄い水色。イメージカラーは白、水色、ピンク
  • 初めて会った主人なのですごく大切にしてくれる。戦うことが本業だが、どちらかと言えば主人の側に居る方が好き(でも戦うと強い)
  • 身長193cmで更にニーハイブーツ(ピンヒール)を履いているのですごく大柄だけど、全体として美人な雰囲気なので威圧感はない。片眼鏡で、すらっとした印象。
  • 無垢・まじめ・色気と相反する要素をバランスよく持っているところが好き

付喪神というところは書くか迷ったんですが職業の説明が他にできなかったので書きました。なんか「なんのご職業なんですか?」ってどうせ聞かれるかなと思って……いや本当に職業が刀の付喪神って……なんなんですかね……?
ちなみに3人で行って同時にインタビューシートを書きはじめたにもかかわらず、わたしが一番書き上がるのが早くて自分の勢いが怖いなと思いました。勢いだけで生きている……。

カウンセリング: ヒアリング

ブースに案内され、店員のお兄さんにインタビューシートをお渡ししました。ここでどういう香水を作りにきたのか(もちろんプレゼント用や自分の好みの香りを調香していただくことも可能です!)を聞かれ、その後お店のルールなどの説明を受けます。今回わたしは特定のキャラクターの香りという回答をしたため、キャラ名をあげたりイラストをお兄さんに見せたりすることはNGだというルールを説明されました。
その後、「まずインタビューシート読ませていただきますね!」と言っていただき、スタッフのお兄さんがふんふんとインタビューシートを読みます。めちゃくちゃ恥ずかしい。
「結構最初から来てますね!なるほど、見た目は成人男性だけど生まれてからは11ヶ月……神様なんですね!」
「ハイ(胚)」
お兄さんがニコニコと読んでくれるので居た堪れなさが半減します。スタッフのお兄さん、本当に優しくてめちゃくちゃありがたかったです。

ここは完全に余談ですが、こんな話をしている後ろで、一緒に来た友達が別のスタッフさんに「お米がショーをして、お米の人気を高めるんです」って説明をしていて、スタッフさんに「お米がショーを?!」って言われてたのがめちゃくちゃ面白かったのでした。お米がショーを?!

ここからこのシートを元に幾つか質問をされます。この下のやりとりは記憶を掘り起こして書いてるのでたぶん割と抜け漏れが多いですしなんかこういう雰囲気なんだな、で読んでください……。
「ではいくつか質問をさせてください。かっこいい、綺麗、かわいいの中で、どのワードが一番ピンと来ますか?」
「綺麗です!!」
「イメージは男性的?女性的?中性的?」
「中性的ですね」
「結構背が高い感じみたいですが……体つきはどんな感じですか?結構筋肉質?」
「そうですね、背も高いですしかなり筋肉質です。ただ横に立ってて威圧感があるタイプではないですね、体格はいいんですけど、全体の印象はすらっとしてて」
「口数は多い方ですか?寡黙な方ですか?」
「口数は多くはない……ですね、すごく寡黙ってわけでもないですが」
「お仕事……は戦うことがお仕事とのことですが(インタビューシートを見ながら)、戦うとお強いですか?」
「はい、とても強いです」
「戦われてる時と、日常の側にいる姿どちらで作ります?」
「ふ、普段の側にいる方で」
「ちなみに、初対面のときの印象は?」
「割と冷たい感じかなって思ったんですけど、話してみるとそんなことなかったという感じです」
「ちょっと和風な方がいいとかあります?」
「あっそうですね!ちょっと和風なイメージなので、どちらかといえばそちら側だと……?」
なんか他にもいろいろ聞かれたと思うのですが忘れました!!!

こうやって改めて推しについて聞かれることで、推しの解像度がどんどん上がっていくのがわかりました。わたしは推しをこうやって捉えてるんだな、こういうところが好きなんだなということが改めて捉え直せるというか。まあそもそも夢女の推しの話って基本的にはインターネットでしかしないですし、現実の男性の店員さんに向かって淡々と推しのこと喋ってるの結構すごい経験でした。相手はオタクの友達じゃないんだぞ!!
高校生の時、当時やっていた夢サイトで仲良くなった同じく夢サイトの管理人の女の子と、池袋の男装喫茶で「もう……(特定キャラクター)しか愛せない……」って頭を抱えていた過去を思い出します。○○ちゃん元気ですか。へびこは変わらず元気です。

カウンセリング: 香りの提案

上記カウンセリングを元に、3つほど香りをご提案いただきました。ピンと来たものがあればベースにさらなる提案をさせていただきますので、と説明を受け、緊張しながら香りを嗅ぎます。
一つ目の香りは素敵な香りではあったのですが、ちょっと甘すぎるかつ大人っぽすぎて、推しとは少し違うかな?という印象でした。ちゃんと推しの香りに自分は気がつくことができるのだろうか、とどちらかというと自分のスキルに不安を持ちながら二つ目の香りを嗅ぐと。居ました。推しが。三つ目も嗅がせていただいて、こちらもイメージに近くはあったのですが、めちゃくちゃ二つ目がドンピシャでした。二つ目でいきなり推しの顔が見えてびっくり。スタッフのお兄さんは神なのか。
「えっすご……すごいですね……」と語彙を失っているオタクに、「何かもっとこうしたいとかありますかね?」とお兄さん(神)が優しく聞いてくれます。とはいえ、わたしは香水初心者。何を足せばどういう結果になるのかがわからない。というか二つ目の時点でかなりドンピシャでもうこれ以上があるのか?!という気持ちになってたので、本当にわからない。戸惑っていると、「例えば甘くしたいとか、もう少しスッキリさせたいとか」とお兄さん(神)からの助言が入ります。「うーーん違うかもしれないんですが、試しにちょっと甘くしてみてもらってもいいですか……?」と聞くと、また2つ目の提案をベースにいくつか出していただけました。これにより、柑橘系の香りを足すとむしろ推しから遠ざかることがわかりました。この近い遠いってなんなんですかね。でも嗅ぐと「「わかる」」んですよね。何を言っているかよくわからないと思うんですけど。わたしも何を書いているのかよくわからない。
あと、3つ目の提案をベースに他の香りも提案していただいて、こちらはより男性的で戦ってる時の推しに近いイメージでした。今回は日常の、普段側にいてくれる推しのイメージで作りたかったので見送ったのですが、戦ってるときの推しと考えるとドンピシャの香りで、これはこれで……今めちゃくちゃほしいので……またカウンセリング予約していくと思います!!!!これが沼です。
そんなこんなで、最終的に残ったのは2つ。ヴァンサンクムーンがめちゃくちゃ推しの香りのベースとして良かったので、残りは何と組み合わせるかでした。最初に組み合わせていただいたのがミルムで、次の「もう少し甘く」で組み合わせていただいた中にあったのがプラチナムスク。店内ではミルムと組み合わせた時の香りが近いかな?と思ったのですがプラチナムスクも捨てがたく、どうしよう……と嗅ぎまくっていたら、お兄さん(神)から、「店内結構甘い匂いになってますし、外で嗅がれるのもおすすめですよ!」との一言をいただきました。神の助言に従い「ちょっと嗅いできます!」と言って外に出て、交互に確認しました。やっぱり最初に選んでもらったミルムかも?と思って一度店内に戻り、「やはり最初の方かも……?」と言いながら「こっち?」という香水がかかっている紙を握り締めて戻ったら、お兄さん(神)に「それ最初の方じゃないですよ!笑」と優しく言っていただき、「!!!また嗅いできます!!」と言ってすぐ外に出ました。落ち着きがなさすぎる。
また外に出て深呼吸してから嗅いでみたところ、片方は出会った時の香り、もう片方は出会って少し柔らかくなった推しの香りだな……と思いました。では、どちらを選ぶか。とっても迷ったのですが、推しと出会って11ヶ月、まあこれは後者だろうなと思い、後者を選びました。なんか推しと関係が進んだ時みたいな香りがしてすごくよかったんですよね。ということで結果的に、最初に提案していただいた香りから「少し甘く」した香りとなりました。

香水の決定と写真撮影

ということで、今回は2種類の香水を組み合わせることにしました。最初にヴァンサンクムーン、次にプラチナムスクです。なんかこう、推しの落ち着いた感じと色気のある感じがすごく出てて、嗅ぐとウッ好き……ってなります。死ぬのかな。
その後写真撮影タイムで、選んだ香水と説明が書いてあるシートの写真が撮れます。素敵な枠も用意されていて、お兄さん(神)がいい感じに配置してくれました。枠は季節によって変わるそうで、わたしが行った時はちょうどクリスマスの枠で可愛かったです。また他の枠も撮りたい……。
(ちなみにフレームがイメージに合わなかったらフレームなしで撮影してOKだそうです、経験者の友人談)
あとこの時に花型の紙に香水を振りかけていただけるのですが、これが本当にいい匂いでずっと嗅いでいたい……ってなって大変でした。大変だったんです。

支払い

1種類が2400円くらいなので、組み合わせた数だけ支払います。わたしは2種類なので2種類分。ここでアトマイザーも購入できます。わたしは正直アトマイザー買っておけばよかったなと後悔しているので次行ったらマジで買いかねない。助けてくれ。

その後

一緒に作った友達2人と、すでにもう作っていた友達1人、自分含めて計4キャラ分の香りを嗅いだのですが、それぞれ全然違くてめちゃくちゃ面白かったです。推しの数だけ香りがある……。なんかこの時ずっと花型の紙を手に持ってたので大変だった。大変でした。手にいい香りが移って。こんなの推しと手を繋いだ後のわたしじゃん……ってなって本当に大変なんですよ。無限に元気が出る。
帰りに友達から「絶対に枕に吹きかけてはいけない。興奮して眠れなくなるから」って言われたんですけど、「よっしゃやるわ!!」となり、枕まではいかなかったもののタオルに吹きかけてそのタオルと一緒に寝ました。寝るところまではよかった。よく朝起きた時に「居る?!」ってなって目が覚めた時が本当にやばかったです。完全に共寝している……のでは?(していない)
なんか色々なブログを読むと「風呂上がりのタオルに吹きかければ、彼に頭を拭いてもらえますよ!」とか強いワードが飛び出してすごい。まだそこまでできてないです。が、そのうちやったらごめんなさい。
わたしが言える遺言は「推し香水はいいぞ」だけです。みんなも作って一緒に「助けてくれ」って言おう!!!!!わたしからは以上です。

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そういえば文フリのお礼と感想のブログを書こうと思っていたのにどうして推し香水のブログを書いているんだ。